「おもてなし」とは、本来は人々のカミに対する言葉だった。祭とは、カミをおもてなしするイベントである。祭を執り行うには、地域の氏子たちが一致団結しなければならない。長老から子供までが役割を持ち、準備を行う。これは日本人の仕事の原点となっている。カミさまをお迎えする準備だから手抜きはできない。したがっていい仕事が先輩から後輩に受け継がれて行くのだ。なかでもカミさまを運ぶ神輿や、カミさまに奉納する踊りや、カミへの食事のしつらいは名人の手によるものがふさわしい。古い日本では名人は仕事をする前に、身を清め、精進潔斎しカミに祈る。即ち仕事にカミの力を要請できる人が名人なのである。本物とは、本物を見抜く目とそれを作り上げる技術がなければならない。メイドインジャパンには、カミのおもてなしの中で育まれた日本人のこころが宿っているのだ。
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