日本の「ものづくり」

現代のものづくりは欧米の原理が主流であり、それは、性質のことなるものを単一の原理に無理やり従わせて均質にならして行く方法だが、本来の日本的なそれは、異質なものを異質性をそのままに適切なインターフェイスを見出すやり方である。日本の職人達はこの精神でやっている。いわば多神教的テクノロジーなのだ。

日本のものづくりの特徴は大きく二つある。一つは、名人がつくりだす極上の一品である。日本には茶道や華道など「道(どう)」がある。これは、個人をより高くレベルアップしていく人間教育システムである。最上位には名人や家元がいるのだ。

もう一つは、ものづくりの現場で先輩から後輩へのこころのこもった技術の伝授や、絶え間ない工夫と手抜きをしない伝統があるのだ。この二つがメイドインジャパンの本質と言える。